日本の色とパーソナルカラーの起源について

query_builder 2025/12/31

今年もトライカラーズをご愛顧いただき、心よりの感謝を申し上げます。ありがとうございます。

もうすぐ来たる来年もよろしくお願い申し上げます。


まもなく、2026年ですね。今回のブログは、日本の歴史文化から色とパーソナルカラーの起源を探る記事を書きたいと思います。

ぜひ先人たちが築き上げてきた日本の色文化に触れていただき、ふだん無意識に入ってしまっている色の世界を呼び起こしてください。お正月は色彩も豊かですので、より楽しいお正月をお過ごしいただけましたら、うれしく思います。

それでは、これから日本古来の色の世界にタイムスリップです。


(お正月スペシャルブログなので、なかなかの長文です。目次を付けますね。)


1,日本古来の色

2,パーソナルカラーの起源

3,日本人特有の感性

4,まとめ



1,日本古来の色


日本固有の色としては、①あか②しろ③くろ④あお の4つがあります。


キトラ古墳では、陰陽五行の影響を受けて、その棺の部屋の壁に各方角の四神(東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武)の絵が描かれています。四神の最初についている色(青・朱・白・玄(くろ))も、こちらの4色ですね。

また平安京も、都の整備の際に参考としたと言われています。

長く平穏に過ごせますようにという祈りや願いを、私は感じます。


この4色を色彩学の立場からの意味を考えるときは、明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)を指すものでした。つまり、①あか は明るい・③くろ は暗い、②しろ はハッキリしている(顕し)・④あお は漠然としている、といったようにです。

例えば、日本最古の書物で、最古の色彩の本といわれる「枕草子」(清少納言・平安時代)の有名な「春はあけぼの」においても、こちらの日本固有の色が色彩表現として使われています。


春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは すこしあかりて 紫だちたる雲のほそくたなびきたる・・・


の箇所においても、たくさんの色が登場いたします。

「やうやう白くなる山ぎは」には、②しろ

(日の出とともに、だんだん山際がハッキリとしていく)


「すこしあかりて」には、①あか

(少し明るくなって)


「紫」もありますね。紫は紫ですが、いろんな色の紫がありますよね。皆様は、どのような紫を想像されましたでしょうか?


日本固有の色は、明度と彩度を表しますとお話ししますと、ときどき「日本には、色がなかったのですか?」と質問されます。まるで智恵子抄の「東京には空がない」の詩のように、色がないということを寂しく思っていただき、ありがたく思います。ちゃんと、色(色相)はあります。今も、枕草子の春はあけぼのの話にも、「紫」も登場しましたね。


ただ自然の色は、移ろいやすいものです。ですので、明度や彩度に心を寄せたのだと私は思います。自然の条件のもと、揺らぎ、移ろいゆく色を感じながら、当時の人々は趣を感じていたと思うのです。


私の知り合いに、天平文化の色を再現する仕事をした方がいます。色を再現するための染料となる、日本の固有種である植物がなかなか調達できずに苦労した話を伺いました。当時の色の染料となる植物も、絶滅してしまったものもあるのでしょうね。当時の色を見ることは困難だと思います。

これもまた、自然の色の移ろいのはかなさ、味わいなのでしょうね。



2,日本のパーソナルカラーの起源は、源氏物語?


前章では清少納言の枕草子でしたが、こちらの章では、紫式部の「源氏物語」を取り上げます。藤原氏全盛のころですね。

文献が残っているのは、「仮名」の発明があり、女性から男性に広まったおかげです。もしかしたら、その以前からパーソナルカラーの起源があったかもしれませんが、ここでは「源氏物語」を題材にいたします。


源氏物語の主人公は、光源氏です。愛する女性達のために、その人となりに合わせて、装束を贈る場面があります。そして、その装いが女性に似合っているかを確認します。まるで、パーソナルカラーのようでしょう?

また当時は、出世や嗜みとして、色や香りなど、今でいうTPOも考慮していますし、「洗練」を意識して切磋琢磨していたのも、私は感じます。


ところで、源氏物語では、洗練との対比としてでしょうか、「末摘花」という女性が登場します。末摘花とは、紅花の別名です。

この紅花の赤は、当時の流行り色でした。ですが、「末摘花」という女性はイマイチで、古びた昔の和紙を使ったりします。おまけに、「赤い鼻」だったので「紅花」、流行り色とのギャップも皮肉って「末摘花」と呼ばれています。

光源氏は、この末摘花にも装束を贈っていますが、やはり似合わないという感想でした。ご興味の方は、源氏物語の世界にも触れてみてください。


源氏物語の世界の色を染色している、京都の「染処よしおか」もご紹介いたします。5代目 吉岡幸雄さん・6代目 吉岡更紗さんの作品が、書籍でも美しい色の世界が楽しめますので、良かったらご覧くださいませ。



3,日本人特有の感性


私の知っている有名な和歌を2つご紹介いたします。江戸時代ですが。


本居宣長の

敷島の大和心を人問わば 朝日に匂ふ山櫻花


「朝日に匂ふ山櫻花」・・・つまり、視覚と嗅覚である香りを同時に感じることができるのは、日本人特有の感性だと思うのです。


太田道灌の雨が降ってきたので蓑を借りようとしたら、山吹の枝を渡された逸話に出てくる

七重八重花は咲けども山吹の 実のひとつだになきぞ悲しき


「実のひとつだになきぞ悲しき」・・・実は、「蓑ひとつ」さえない暮らしをしておりますので、蓑をお貸しできませんのが悲しいという歌です。

こちらでは、「掛け言葉」という和歌の表現方法を使用しています。和歌のルールや表現方法は、語感も大切にしていますね。


最初の日本固有の色も①あか を赤・明と掛けていましたね。

日本人特有の感性・想像力があるのです。



4,まとめ


このように、私たちは豊かな感性のDNAを受け継いでいます。

もしかしたら、単に色だけでなく趣が欲しい民族かも知れません。

ファッションもメイクもまた、無意識かもしれませんが、「その人となり」を求めたり、感じたりすることでしょう。


パーソナルカラーも単なる理論のあてはめではなく、味わいのある色づかいを心掛けて、実現出来たら、とても楽しいですよね。


今回は、日本の歴史文化から、日本人らしいパーソナルカラーの色づかいをご提案するブログでした。雑学のように、楽しんでいただけましたら幸いでございます。


長文でしたが、お読みいただきありがとうございます。



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